稲垣栄洋

空が見えない最期 ── セミ 子に身を捧ぐ生涯 ── ハサミムシ 母なる川で循環していく命 ── サケ 子を想い命がけの侵入と脱出 ── アカイエカ 三億年命をつないできたつわもの ── カゲロウ メスに食われながらも交尾をやめないオス ── カマキリ 交尾に明け暮れ、死す ── アンテキヌス メスに寄生し、放精後はメスに吸収されるオス ── チョウチンアンコウ 生涯一度きりの交接と子への愛 ── タコ 無数の卵の死の上に在る生魚 ── マンボウ 生きていることが生きがい ── クラゲ 海と陸の危険に満ちた一生 ── ウミガメ 深海のメスのカニはなぜ冷たい海に向かったか ── イエティクラブ 太古より海底に降り注ぐプランクトンの遺骸 ── マリンスノー 餌にたどりつくまでの長く危険な道のり アリ 卵を産めなくなった女王アリの最期 ── シロアリ 戦うために生まれてきた永遠の幼虫 ── 兵隊アブラムシ 冬を前に現れ、冬とともに死す“雪虫” ── ワタアブラムシ 老化しない奇妙な生き物 ── ハダカデバネズミ 花の蜜集めは晩年に課された危険な任務 ── ミツバチ なぜ危険を顧みず道路を横切るのか ── ヒキガエル 巣を出ることなく生涯を閉じるメス ── ミノムシ(オオミノガ) クモの巣に餌がかかるのをただただ待つ ── ジョロウグモ 草食動物も肉食動物も最後は肉に ── シマウマとライオン 出荷までの四、五〇日間 ── ニワトリ 実験室で閉じる生涯 ── ネズミ ヒトを必要としたオオカミの子孫の今 ── イヌ かつては神とされた獣たちの終焉 ── ニホンオオカミ 死を悼む動物なのか ── ゾウ